あづまや きものひろば / How to きもの
帯の種類
同じ着物でも、締める帯が変わればTPOも表情も変わる。袋帯・名古屋帯・半幅帯・角帯、五つの見立て。
「着物用の帯って、どんな種類があるの?」——大きく分けると8種類あります。
素材の違いもあるので、TPOによって迷ってしまう方も多いと思います。ここでは実際の使用例を交えて、どの帯がどんな場面・着物に合うのか、それぞれの特徴を見ていきます。
以下は当店がお勧めする独自の見立てです。地方によって解釈が異なる場合もありますので、ひとつの提案として読んでいただければと思います。
TPO別、帯の合わせ方
素材や柄行きによって変わりますが、迷ったときの目安です。
| TPO | 結婚式など第一・第二礼装 | お茶会などお習い事 | 普段着 |
|---|---|---|---|
| 着物 | 黒・色留袖・訪問着・附下げ・一つ紋色無地 | 色無地・附下げ・小紋 | 小紋・紬・洗える着物 |
| 帯 | 袋帯(金や銀系など) | 袋帯・九寸名古屋・染名古屋 | 八寸名古屋・半幅帯 |
袋帯
fukuro 正絹・化繊 / 礼装帯の代表、二重太鼓
- 格のめやす
- 普段 ―― よそゆき
- 予算のめやす
- 約5万円〜(かなり幅広い)
- 合わせる着物
- 振袖・留袖・訪問着(お茶席向けの柄も)
- 結び方
- 二重太鼓
名古屋帯が一重なら、袋帯は二重。
主に礼装用として使われるのが、この袋帯です。二重太鼓の帯とも言われます。名前の通り、表生地と裏生地を袋のように縫い合わせて仕立ててあり、名古屋帯のお太鼓が一重に対して、袋帯は二重に結びます。幅31cm以上・長さ4m30cm以上あることで名古屋帯と区別できます。主に振袖・留袖・訪問着に使いますが、最近はお茶会の小紋や色無地にも使えるおとなしい柄の袋帯も出てきています。化繊(ポリエステル)の袋帯も出回り、カジュアルな装いに袋帯の長さを利用した変わり結びを楽しむ方も見えます。
有名な織り方は「西陣織」「唐織り」「佐賀錦」など。金糸・銀糸を多く使う豪華な袋帯は結婚式などの礼装用に喜ばれます。対して唐織りは、訪問着や附下げ・色無地といった準礼装の着物に上品に合わせられる帯です。帯の「格」は同格なので、逆の組み合わせも可能。着用シーンに合わせた選び方がおしゃれです。柄の付け方には六通柄・ポイント柄・全通柄があり、最近は紬の生地や染めの「しゃれ袋帯」も出てきて、小紋や紬に合わせて変わり結びを楽しめます。季節としては、夏は紗や絽の袋帯があります。
合わせるもの
- 着物
- 振袖・黒留袖・色留袖・訪問着が基本。お茶席向けの柄なら色無地にも
- 季節
- 夏は紗・絽の袋帯
- 小物
- 礼装なら白や金銀の帯締め・帯揚げを
九寸名古屋帯・染名古屋帯
kyusun 正絹 / 名古屋帯の基本形、一重太鼓
- 格のめやす
- 普段 ―― よそゆき
- 予算のめやす
- 仕立て付きで約5万円〜
- 合わせる着物
- 色無地・附下げ・小紋
- 結び方
- 一重太鼓
袋帯が礼装帯の代表なら、名古屋帯は普段着帯の代表。
名前が「九寸」なので幅が九寸(約34cm)ある帯と間違えそうですが、実際の仕立て上がりは八寸(約30cm)。反物の状態は九寸あり、端をかがって帯芯を入れて仕立てます。胴に巻く部分と手先になる部分は半分(四寸)に折って仕立ててあることが多いです。八寸名古屋帯との違いは、帯芯を入れて仕立てる物は九寸、かがり仕立てだけの八寸、と覚えると分かりやすいと思います。長さはどちらも約3m60cmから3m80cm前後。帯姿は一重太鼓になり、袋帯より締めやすいので一番親しまれている帯と言えます。
素材は袋帯と同じく織りや縮緬生地などさまざま。九寸名古屋帯や染名古屋帯は主にお茶会やお花会、観劇、ちょっとのお出かけ着のお供になります。染名古屋帯の多くは縮緬地や塩瀬の生地に手描き・プリントを施したもので、単衣の季節に特に喜ばれます。着物を楽しむなら必ず1本は欲しい帯です。夏は袋帯と同じく紗や絽の名古屋帯があります。
合わせるもの
- 着物
- 色無地・附下げ・お召し・小紋・紬・お茶会・お花会・観劇・カジュアルと幅広く
- 季節
- 夏は紗・絽
- 小物
- 金銀を控えめにすると普段使いしやすい
八寸名古屋帯
hassun 正絹 / 帯芯なし、締めるほど味が出る
- 格のめやす
- 普段 ―― よそゆき
- 予算のめやす
- お仕立て付きで約3万円〜
- 合わせる着物
- 小紋・紬・普段着物全般
- 結び方
- 一重太鼓
普段着の着物には、必ず一本。
その名の通り、八寸(約30cm)幅の帯。九寸名古屋帯と違い帯芯を入れずに仕立てるため、たいてい地厚で張りのある生地を使います。反物の状態からお太鼓の部分になる長さ(約1m10cm)を折り返し端をかがるだけで仕立てられるため、お太鼓の部分以外は手先まで折らずに仕立てることもあります。
素材は張りのある綴れ織りや博多織など、しっかりしたものがよく使われます。柄も一番自由な感覚で、目を楽しませてくれる帯です。締めやすく、使えば使うほど味が出る商品が多いので、普段着の着物にはぜひ一本持っておきたいところ。夏の素材は羅や紗で、麻素材が多いのも特徴です。
合わせるもの
- 着物
- お召し・小紋・紬・木綿など普段着全般
- 季節
- 夏は羅・紗(麻素材も多い)
- 小物
- 普段使いなので小物も自由に
半幅帯
hanhaba 絹・麻・ポリエステル / 普段着の代表格
- 格のめやす
- 普段 ―― よそゆき
- 予算のめやす
- 約1万円〜
- 合わせる着物
- 木綿・浴衣・普段着物全般
- 結び方
- 文庫結びなど、結び方が豊富
最初に習う結びも、たいてい半幅帯。
ゆかたの帯と言えば、この半幅帯のことですが、最近ではカジュアルにも使えるととても種類が多くなってきました。普通の帯の半分の幅(八寸の半分)で作られたことからその名があります。別名で四寸帯(幅15cm)とも呼ばれますが、現在は身長が高くなったことや、半幅帯にも帯締めを合わせることなどから、ほとんどの帯が長さ4m以上、幅が16cm〜17cmほどになっています。
半幅帯=普段着の代表的な帯、と言っても過言ではありません。着付け教室でも一番初めに習う帯結びが、この半幅帯だと思います。素材は絹・麻・ポリエステルなど。単衣の夏物と袋式の冬向きがありますが、今は夏でもリバーシブルを楽しめる袋式が主流です。着物を普段に楽しみたいという方には、ぜひおすすめしたい帯です。
合わせるもの
- 着物
- 紬・木綿・浴衣・洗える着物など、普段着全般
- 仕立て
- 単衣(夏物)/袋式(冬物・リバーシブルが主流)
- 小物
- 結び方の種類が豊富。帯締めを合わせる着こなしも人気
角帯
kaku 男物 / 普段から礼装まで、これ一本
- 格のめやす
- 素材次第(綿・ポリは普段用、絹はオールマイティーで礼装にも)
- 予算のめやす
- ポリで5千円〜/絹で2万円〜
- 合わせる着物
- 男物の着物全般
- 結び方
- 貝の口・片挟み・浪人結びなど
博多織は締めやすく緩みにくい。店長の私も愛用。
男物の帯です。今では兵児帯(へこおび)がほとんど売られていないことから、男性の帯は実質この角帯1種類のみ。1種類で普段着から礼装までをカバーするため、素材・色・織り方はさまざまです。
男性用の角帯は、素材によって用途を変える場合が多いです。綿やポリエステルなら普段着に。絹でおとなしい色柄ならオールマイティーで礼装にも使えます。角帯も女性の半幅帯と同じく、昔より幅が太くなってきています。昔の規格は二寸三分(約9cm)でしたが、今は二寸八分(約10.5cm)の太さもあります。男性用の角帯は博多織が有名で、締めやすく緩みにくいことから昔から人気があり、店長の私も愛用しています。
合わせるもの
- 着物
- 男物の着物全般。素材で普段・礼装を使い分け
- おすすめ
- 博多織(締めやすく緩みにくい)