きものひろば式 How to きもの
普段着用のお着物って?(女性)
普段着用の着物の種類はどんなものがあるの?こんな質問を受けるときがあります。
当店が一番大切に思っているのがこの普段着です♪ 「式服」「習い事」などのような制約が全く無いのがこの普段着であり、
自分が自分らしく日々の生活の中で気楽にファッションとしての「着物」を楽しめるのが普段着だと思っているからです。
では実際の使用例を交えてどんな着物がどんな場面で使えるのか?さらにその着物の特徴などの説明をします。
とりあえず言っておきますが、以下の説明は【当店がお勧めする当店独自の考え方】なので地方によっては解釈が違う場合もありますので、ご注意くださいませ。
ちなみに帯は【名古屋帯】【半巾帯】など用途に合わせます。
そうは言ってもわかりにくいので(笑)
普段着の場所別TPO(ただの提案です基本は自由に)
普段着の楽しみ方 | ||
合わせる物/TPO | 観劇・コンサート・同窓会 | ぶらり街歩き・お買い物 |
お勧めの着物 | 小紋・紬・お召 | 小紋・紬・木綿・ウール |
帯 | 九寸名古屋帯(染帯) | 八寸名古屋帯・半巾帯 |
上着 | 道行コート・羽織 | ショール・羽織 |
小紋の着物(絹)
普段着にはもちろん、ちょっとおすましなお出かけまで着こなせる人気の商品です。「毎日のようには着ないけど年に数度はちょっと着物を着てみたい。」そんな方にまず一枚といえば小紋の着物がおすすめです。下記画像のようにさまざまな種類があります。TPOにより選び方も変えるとGoodかも!?
特徴やアドバイス
飛び柄小紋 | 鮫小紋(江戸小紋)右画像はアップ | 総柄小紋 |
小紋の着物は「着物全体に柄が入った着物」というイメージです。上記の写真のようにさまざまな種類・柄があります。
着用シーンに合わせた選び方がおしゃれかと思います。
飛び柄は無地感覚でフォーマルな感じも出せるので、袋帯を締めれば「パーティー」(お友達の結婚式の二次会)「お茶会」や「お花会」「観劇」「コンサート」などに向いていると思います。
鮫小紋(江戸小紋)は遠くから見ると無地っぽくも見え、小紋の着物の中でも少し特別で、普段着より格上の着物と言われていますが、柄によっては普段着で楽しまれても良いかと思います。画像はエビの柄ですが1cm以下の大きさで近くまで行かないと見えません。飛び柄と同じTPOで良いかと思います。
総柄小紋は、同じ柄の連続で約76cm(2尺)づつで同じ柄が続きます。洗える着物もほとんどがこんな感じで総柄小紋の部類に入ると思います。さまざまな個性あふれる柄があるので普段着にするにはぴったりの着物だと思います。お値段も1万円台からあるので絹の着物の入門用としてもお勧めです。
合わせる長襦袢・帯・小物類
小紋に合わせる長襦袢は基本的に「自由」です。色や織柄が入っていてもOKです。
半襟も「自由」が基本で最近は色半襟や刺繍などで豪華に見せることが多いです。
帯は基本は「名古屋帯」です。飛び柄小紋や鮫小紋には「袋帯」を合わせることもあります。
帯締め帯揚げも「自由」ですが、礼装用の金や銀が入ったタイプは避けたほうが良いかと思います。
草履やバックも金や銀地の物以外ならなんでもOKです。
着付けに必要な下着や小物はこちらをご覧ください。
普段着の着物についてのお問い合わせ・ご質問はこちらからお気軽に
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紬の着物
着物の中で一番、着易い着物として親しまれているのが、紬の着物です。
普段着の王様として、一枚は欲しい着物です。高価なイメージがありますが機械織りの製品なら2万円台の商品もございます。
紬は先染め着物と呼ばれ、糸の段階で染められ柄を織るため裏と表がわかりにくい(中には裏表が無い物も)商品です。
特徴やアドバイス
紬のアップ | 男大島紬 |
画像でも見てわかるように生地の所々に糸を紡いだ後やくず繭の節があり、その節が空気を含み、夏涼しく冬温かい着物です。ざっくりとした風合いなので着崩れしにくく、とても着易いです。織っている産地(地方)によってかなり特徴が違うのが面白く、大きく分けると寒い地方と暖かい地方(南)に分けられ、寒い地方の紬は真綿を使用し厚みがありふっくらとしているのに対して、暖かい地方の紬は(特に大島紬)割と薄めの生地になります。
もともと庶民の普段着として作られてきた実用向きの着物なのでとても丈夫で長持ちします。その点から管理次第で3代は着用できると言われています。
代表的な物では日本三大紬の鹿児島県の「大島紬」、石川県の「牛首紬」、茨城県の「結城紬」がありますが、それら伝統的工芸品は高価なため、一般的に数多く素敵な柄が多いのは新潟県の「十日町紬」が私は好きです。他にも「信州紬」「置賜紬」「琉球紬」などありますが年々織り手の高齢化や跡取りさんが少なくなり10年後には無くなってしまうと言われる産地もあり、一度無くなってしまうと復興が難しいので国や県などの補助制度などが必要と私は思っています。
皆さんも「日本の伝統」を身に纏いたいと思われるならこの「紬」を是非1枚でもお持ちになられてみてはいかかでしょうか?
ご予算は機械織りの商品ならオーダー仕立て付きで¥65,000〜
合わせる長襦袢・帯・小物類
長襦袢は基本的に自由ですが、おしゃれ向き用の紬専門の長襦袢も出回っていてとてもオシャレな長襦袢もあります。
半襟は基本的に何色でもよろしいです。
帯は「九寸名古屋帯」「八寸名古屋帯」「半巾帯」です。博多織などが相性抜群で締めやすくゆるみにくいです。
帯締め帯揚げの色などは自由ですが、帯締め帯揚げは金や銀があまり入らないものが良いです。帯揚げは平織りの物が多く使われています。
草履やバックも自由です、こちらも礼装用と違い金や銀が入っていない物が好まれます。
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お召の着物
徳川十一代将軍家斉が好んでお召しになったことがその名の由来。横糸に撚りを強くかけて織った先染めの縮緬地です。
縞柄が多く小紋のように普段着としても着用できます。男性物の一部に無地があり羽織も一緒に家紋を入れて礼装用やお茶会用として使われています。
特徴やアドバイス
西陣お召 |
お召の着物は他の縮緬地の着物より張りがある着物が多く、シワになりにくいので、無地の着物はお茶席などに喜ばれます。
縞柄が多いので、どちらかというと男性向きな感じですが、粋な着こなしを求める女性にもお勧めの着物です。
着物としての格としては正絹小紋と同じような感覚で着用されると良いでしょう。
ただし横糸に強い撚りがある関係上、水に濡れると縮みますので防水加工が必須だと経験上思います。
生産量も少ないのであまり目にすることが少なくなってきましたが、先染めの商品ですので裏表関係なくお仕立てできる点も面白いと思います。
ご予算はピンからキリまであってお仕立て付き(袷)で¥100,000〜
合わせる長襦袢・帯・小物類
長襦袢は基本的に「自由」です。
半襟も基本的に「自由」ですが。男物の礼装時やお茶会の時は「白」が基本です。
帯締め帯揚げも「自由」です。
草履やバックも自由です、こちらも礼装用と違い金や銀が入っていない物が好まれます。
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木綿の着物
着物の中で一番普段着に近いのが木綿の着物とも言えます。これ一枚で3シーズン着用できるといっても過言ではないと思います。
私が普段着として一番好きなのも、この木綿の着物です。
特徴やアドバイス
遠州木綿 | 片貝木綿 | 伊勢木綿(本藍染) | 久留米絣 |
木綿は古くから日本人の普段着として一番身近で親しまれてきた着物です。最大の特徴は汗をよく吸い丈夫なことです。
木綿も地方により様々で、織り方や生地の厚みの違いがあります。中でも代表的なものは、新潟県の「片貝木綿」、福岡県の「久留米絣」などがあります。
店長の私も真冬以外(1月2月)ほとんど、木綿を着用しています。
木綿の着物の良いところは何といってもその風合いと着心地あります。実際着てみると普段着として長年使われてきたのがわかります。シワになりやすいのと縮みやすいのが欠点と呼ばれていますが、何度も洗ったりしていくうちに、シワもある程度はつきますが落ち着いてきますし、縮みもほとんどなくなってきます。ですので、初めに作る際には縮み分を読んでお仕立てする事としっかりと水通しをすることで新品の時点で先にある程度、縮ませてしまいます。
呉服屋の私が毎日のように着ていると、皆さんの前に出ても「素敵な着物ですね〜」と呼ばれることが多いので、おそらくほとんどの方は木綿の着物とは思っていないと思います。
これから普段に着物を着たいと思われる方は是非この木綿の着物を一枚作られると良いかと思います。
予算的にもあなたぴったりのサイズでオーダー仕立て付き¥10,000〜で作れてしまうんですよ!
合わせる長襦袢・帯・小物類
長襦袢は「色」自由ですが、毎日のように着用される方は絹の長襦袢では洗えないので不経済的ですよね?
私はうそつき長襦袢と言って胴体の部分は晒の生地で作り、衿は半襟が付くようにしてあり、袖は洗える長襦袢の生地や洋服地のダブルガーゼの色付きの物をつけています。
半襟は「色も柄」ももちろん自由です。私の場合、木綿の風呂敷や洋服地を半襟にして、夏場などは汗を吸い取りやすい生地にしています。。
帯は「半巾帯」がメインですが、ちょっとお出かけには「八寸名古屋帯」などを締められるとまるで紬の着物のように見えて一段と素敵になると思います。
重ね衿は基本的に必要ありません。帯締め、帯揚げ、は「色も柄」も自由です。礼装以外の金や銀が入っていない物喜ばれます。
草履やバックは自由です巾着や洋服用でも和風のバックなど自分好みで♪
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ウールの着物
着物の中では今ではあまり関心が高くないウールですが、店長の私も真冬は必ず着用している暖かい素材ウールです。最近ではパッと見では「ほんとにウール?」っていうおしゃれな柄も出てきました。普段着のスペシャリストになると欲しくなる冬の定番きものです。
特徴やアドバイス
ウールと言えばお正月用のアンサンブル(羽織と着物)の紺地に朱色の絣柄ってイメージが多いですが、最近ではアンサンブルより反物単体で廉価な後染めの物も多く出ています。
昔のような、ボテっと厚く重い生地はほとんどなく、まるで紬のような風合いの物も出てきています。
ウールの弱点「虫食い」が嫌われてきた要因だと思いますが、何年も着用せず虫が食うまで保管していたのが一番の原因だとおもいます。上手な保管方法により他の着物と分けて洋服用などにある蓋がきちんと閉まる入れ物に収納し、虫などつかないようにすれば万全です。
冬物なのに単衣でお仕立てするので、なによりお仕立て代が安く、着ると暖かいので、若い世代の方にも少しずつ提案している着物です。
お値段は後染の物で¥18,000〜(オーダー仕立て付き)先染め(本絣)で¥30,000〜(オーダー仕立て付き)
合わせる長襦袢・帯・小物類
長襦袢は身内の結婚式の場合「白」ですが、その他の場合は「色」は自由です。地紋や織柄が入っていてもOKです。ただし、あまりにも濃い色合いや柄がハッキリしていて表地に写りそうなものは避けます。
半襟は「色も柄」も自由です。ただし、礼装に使われる場合はやはり「白」を基調にされると良いかと思います。
帯は礼装であれば「袋帯」その他の場合「名古屋帯」とも言いますがほとんど最近では「袋帯」を締められるようです。
重ね衿、帯締め、帯揚げ、は「色も柄」も自由です。礼装の場合は落ち着いた雰囲気が喜ばれます。
草履やバックは自由ですが黒留袖と同じく、普段用とは別の格式の高い物が好まれます。
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洗える着物
着物の中で普段着として20年ほど前より、一気に普及したのが洗える着物ですが、皆さんのご質問の中で多いのが「洗える着物の種類は着物の中でどこの部類に入るのですか?」と聞かれる場合が多いです。最近では「振袖」や「訪問着」などにも洗える着物が出てまいりました。
一言でいえば、ただ単にポリエステル(化繊)を使用した着物の事なのですが、皆さんが言う「洗える着物」とは柄が付いていれば「小紋の着物」や無地なら「色無地の着物」といっても過言ではないでしょう。TPOも化繊だからと言って普段着ばかりではございません。
ここでは「小紋の着物」としての洗える着物をクローズアップしてまいります。
特徴やアドバイス
洗える着物と言えば「お家で洗える」ことが一番の売りです。
お値段もリーズナブルでお仕立て上がりの着物が¥3,000を切るようなお値段で売っていたりしています。
そのため、お稽古事や飲食店のお仕事などでよく使われます。
ただし、お仕立て上がりの商品はサイズ展開が今では S・M・L 位はありますが、5年ほど前まではフリーサイズとして売っていました。現在になって「着物は着づらい・歩きにくい」となってしまったのもこのお仕立て上がりの着物が一因だとも言われています。詳しくは「店長Blog」で書いています。
当店がお勧めするのは洗える着物でも「オーダーメイド」が重要と思っています。
水を使うお仕事やお稽古の練習・雨の日などにはとても重宝する着物なので、当てはまる方は「まずは一枚」買っておきたい着物です。
合わせる長襦袢・帯・小物類
長襦袢は同じ洗える素材の長襦袢が売っています。さまざまな色や柄を選べるのも嬉しいところです。
半襟は「色も柄」も自由です。お茶などに使われる場合はやはり「白」を基調にされると良いかと思います。
帯は「名古屋帯」や「半巾帯」TPOも正絹の小紋の着物に準ずると良いと思います。。
帯締め、帯揚げ、は「色も柄」も自由です。
草履やバックも自由ですが金や銀など礼装用以外が良いでしょう。
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